よもやま話 〜おばけのこと〜
僕の映画は山で撮影をすることが多い。
毎回、自然に対する愛情と感動の念から出発する。
青と緑が好きだから晴れた日の5月なんかもう最高だ。
家から何時間もかけて目的地へ向かい、重い機材を抱えて山に登る。
でも山の天気は崩れがちで
予定通りの画が撮れないことなんてしょっちゅうだ。
どうしても天気が回復しない時は諦めて下山するのだけど
ふとした瞬間に一陣の風が吹いて、
さっきまで止まっていた竹藪が俄然すごい音を立てて動き出す。
「なんだ?」と思って其方を見ると、
いきなり素晴らしいロケーションに出くわしたりする。
僕は一人で映画を撮ることが多いけれど、
山の中に行くと見えない誰かが、さりげなく手伝ってくれたり、
導いてくれたのかな?と思うことが時折ある。
それは、ただの風か神様か精霊かおばけかタヌキかわからないけれど、
きっとドジで人懐こい奴の様な気がする。なんかそうであって欲しい。
最新作の「おばけ」はそんな話。
よもやま話 〜おばけのこと〜 への1件のコメント